店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 夢を追う二十歳の迷いと熱量に触れたい時
- 刺さるポイント
- 『よろこびの歌』の少女たちが成長し、声楽や舞台の前で再び自分の声を問い直す
- 向いている人
- 青春の続編、音楽と舞台、夢を諦めきれない人々の群像劇が好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、宮下奈都さんの『終わらない歌』をご紹介します。
この作品は、『よろこびの歌』から三年後を描く続編です。高校時代に合唱を通して心を通わせた少女たちは、二十歳になり、それぞれの場所で新しい迷いに直面しています。御木元玲は音大で声楽を学びながら、自分の歌に価値があるのかを見失いかけています。原千夏はミュージカル女優を目指しますが、思うように舞台の真ん中へ進めません。
前作が、閉じていた心が仲間と響き合うまでの物語だとすれば、本作はその先にある現実を描いています。夢を持つことは美しいけれど、続けることは簡単ではありません。才能の差、努力しても届かない場所、誰かと比べてしまう苦しさ。かつて同じ歌を歌った彼女たちは、大人になりかけの時間の中で、自分の進む道をもう一度問い直します。
読みどころは、迷いそのものに熱があるところです。玲も千夏も、すぐに答えを見つけるわけではありません。それでも、舞台や歌に向かう瞬間、かつての仲間とのつながり、自分ではない誰かの頑張りに触れることで、胸の奥に残っていた火が消えていないことに気づいていきます。青春が終わったあとにも、歌は形を変えて続いていくのです。
『終わらない歌』は、夢を追う人の輝きだけでなく、夢に傷つく時間も描く作品です。前作を読んだ人には、彼女たちのその後として深く味わえますし、今まさに進路や仕事で揺れている人にも、悩みながら続けることの意味をそっと渡してくれます。
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