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この夏の星を見る 表紙

この夏の星を見る

2026年5月27日 更新

今日は、 辻村深月さんの青春小説、 『この夏の星を見る』 についてお話しします。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
失われた時間を嘆くだけでなく、その中で生まれたつながりを見つめたい時
刺さるポイント
コロナ禍で活動を奪われた中高生たちが、離れた場所から星を通じて結びついていく
向いている人
青春群像劇、天体観測、遠くの誰かとつながる物語に惹かれる人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、 辻村深月さんの青春小説、 『この夏の星を見る』 についてお話しします。

この作品は、コロナ禍で学校生活や部活動の当たり前を失った中高生たちが、星を通じて新しいつながりを見つけていく青春群像劇です。舞台は、茨城、東京、長崎など、離れた場所にある学校や町です。登場する生徒たちは、それぞれに違う事情を抱えながら、突然変わってしまった日常の中で、自分の気持ちを持て余しています。

合宿がなくなる。大会がなくなる。友達と近づくことさえためらわれる。大人たちも正解を持てない状況の中で、彼らは天文部の活動や星の観測をきっかけに、画面越しにつながっていきます。望遠鏡で星をとらえる競技のような試みは、単なるイベントではありません。外へ出られない時間の中でも、自分たちで何かを始めるための、小さな挑戦になっていきます。

この物語の魅力は、コロナ禍を大きな悲劇としてだけ描かないところにあります。奪われたものの重さを見つめながらも、その時代だからこそ出会えた人や、離れているからこそ生まれた連帯を丁寧にすくい上げています。星を見るという行為が、遠くの誰かと同じ空を共有する感覚につながり、登場人物たちの不安や孤独を少しずつ変えていきます。

読み終えると、失われた時間は確かに戻らないけれど、その中で生まれた光もまた消えないのだと思えます。まっすぐで、切なく、温かい青春小説です。

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