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ミハスの落日 表紙

ミハスの落日

2026年5月27日 更新

今日は、貫井徳郎さんのミステリー短編集『ミハスの落日』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
海外を舞台にした短編ミステリーで、土地の空気と人の傷を同時に味わいたい時
刺さるポイント
異国の風景の中で、過去の秘密や消えない悔いが静かに真相へつながっていく
向いている人
一編ごとに違う余韻を残す、苦みのある短編集を読みたい人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、貫井徳郎さんのミステリー短編集『ミハスの落日』をご紹介します。

本作には、スペイン、スウェーデン、アメリカ、インドネシア、エジプトといった異国の地を舞台にした物語が収められています。表題作では、スペインの町ミハスに住む老紳士が、青年ジュアンを呼び寄せます。そこで語られるのは、彼の亡き母をめぐる遠い過去の出来事と、長い時間を経ても癒えない記憶です。

それぞれの短編では、旅情や風景の美しさが、ただ明るい背景として置かれるわけではありません。むしろ、遠く離れた土地だからこそ、人が抱える孤独や罪の意識、取り返しのつかない選択がくっきり見えてきます。密室の謎、連続殺人、家族の秘密など、扱われる事件は多様ですが、どの話にも静かな痛みがあります。

読みどころは、結末の意外性だけでなく、真相が明かされたあとに残る余韻です。誰かを傷つけた事実、愛情の形を間違えた時間、見ないふりをしてきた過去。そうしたものが、異国の光や夕暮れの色と重なり、ミステリーでありながら人間ドラマとしての味わいを深めています。

『ミハスの落日』は、派手な連続性よりも、一編ごとの完成度と読後の苦みを楽しみたい人に向いた作品です。海外を舞台にした短編を通して、貫井作品らしい人間心理の暗がりをじっくり感じられる一冊です。

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