店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 常識的な夫婦像では測れない、やわらかな愛のかたちを読みたい時
- 刺さるポイント
- 傷つけ合いながらも互いを手放せない二人の、透明で危うい関係
- 向いている人
- 恋愛と結婚、友情の境目を静かに考えたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、江國香織さんの長編小説 『きらきらひかる』をご紹介します。
物語の中心にいるのは、結婚したばかりの笑子と睦月です。 笑子は心の不安定さを抱え、睦月には同性の恋人がいます。 世間が思い描く夫婦の形からは大きく外れている二人ですが、 それでも互いを大切にしようとする気持ちは確かにあり、 生活は奇妙なほど穏やかに始まっていきます。
けれど、その穏やかさは簡単には守れません。 笑子の孤独、睦月の優しさ、そして睦月の恋人である紺くんの存在が、 三人の関係を少しずつ揺らしていきます。 誰か一人が悪いわけではないのに、近づきすぎれば傷つき、 離れようとすれば寂しさが増してしまう。 この作品は、そんな不器用な結びつきを、澄んだ文体で静かに描きます。
読みどころは、恋愛や結婚を単純な正解に押し込めないところです。 笑子と睦月は、相手を理解しきれないまま、それでも相手の存在を必要としています。 その関係は危うく、痛みもありますが、同時にとても誠実です。 愛することは、相手を所有することなのか。 一緒に暮らすことは、同じ未来を見ることなのか。 読み進めるほど、当たり前だと思っていた言葉の意味がほどけていきます。
『きらきらひかる』は、軽やかな恋愛小説でありながら、 人が人を受け入れることの難しさと尊さを映し出す一冊です。 きれいごとではない優しさや、壊れそうな関係の中にある光を読みたい人に、 そっと手渡したくなる作品です。
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