店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- ルールの穴を読む頭脳戦を、軽やかなテンポで楽しみたい時
- 刺さるポイント
- 子どもの遊びを変則ゲームに組み替え、読み合いと逆転の快感で引っ張る
- 向いている人
- 論理パズル、青春ミステリー、短編連作の切れ味が好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
今日は、青崎有吾さんの『地雷グリコ』をご紹介します。
この作品は、女子高生の射守矢真兎が、日常の中で巻き込まれる奇妙なゲームに挑む連作ミステリーです。タイトルにもなっている「地雷グリコ」をはじめ、子どものころに遊んだことのあるような遊びが、少しだけルールを変えられることで、緻密な読み合いの勝負に変わっていきます。
主人公の真兎は、勝負事にめっぽう強い人物です。けれども本作のおもしろさは、単に天才が相手を圧倒する爽快感だけではありません。ゲームごとにルールが明確に示され、どこに抜け道があるのか、相手は何を狙っているのか、読者も一緒に考えながら進める構成になっています。階段を上る遊び、百人一首を使った神経衰弱、じゃんけんを変形させた勝負など、身近な題材が本格的な頭脳戦へ変わる発想が魅力です。
各話はテンポよく読める一方で、勝負の背景には登場人物それぞれの意地や願いがあります。遊びのように見える場面でも、勝つことに何を賭けているのかが少しずつ見えてくるため、単なるパズルではなく青春小説としての手ざわりもあります。真兎の飄々とした強さと、相手の執念がぶつかることで、軽快さの中に緊張感が生まれています。
読後に残るのは、ルールを理解する楽しさと、そのルールをどう疑うかというおもしろさです。正攻法だけでは届かない局面で、視点をずらし、相手の思考を逆手に取る。そうした論理の反転が決まる瞬間に、本作ならではの快感があります。
『地雷グリコ』は、重苦しい事件よりも、知恵比べそのものを楽しみたい人に向いた一冊です。短編連作として読みやすく、それでいて一つひとつのゲームにしっかり驚きがあるため、ミステリー初心者にも、論理パズルが好きな読者にもおすすめできます。
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