店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 正体不明の人物に翻弄されるスリルを味わいたい時
- 刺さるポイント
- 阪神大震災の混乱の中で出会った男女が、嘘と策略を重ねながら都会の階段を駆け上がっていく
- 向いている人
- 人間の底知れなさに背筋が凍るミステリーを求める人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、東野圭吾さんの『幻夜』をご紹介します。
物語は一九九五年、阪神大震災の夜から始まります。 倒壊した家屋のそばで、水原雅也は一人の女と出会います。 新海美冬と名乗るその女は、圧倒的な美貌と冷徹な知性を持ち、 雅也を巧みに操りながら東京の社交界へとのし上がっていきます。
美冬は自分の過去を一切語りません。 震災以前の彼女がどこで何をしていたのか、誰にもわからない。 雅也はやがて彼女のために犯罪に手を染め、 後戻りできない深みへと引きずり込まれていきます。
この作品の恐ろしさは、美冬という人物の底が見えないところにあります。 彼女が何を考え、何を目的としているのか、 物語が進むほどに謎は深まるばかりです。 愛情なのか利用なのか、その境界すら読者には判断がつきません。
雅也の視点を通して描かれる美冬の姿は、 魅力的でありながら同時に恐ろしく、 ページをめくるたびに不安と緊張が積み重なっていきます。
『幻夜』は、人間の欲望と孤独を震災という非日常の中に浮かび上がらせた作品です。 読み終えたあとに残る余韻は重く、 美冬という存在について何度も考え直してしまう力を持っています。 東野圭吾作品の中でも異色の読後感を味わいたい人に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
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