店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 奇術と殺人が重なる、舞台仕掛けのようなミステリーを読みたい時
- 刺さるポイント
- 天才奇術師が観客の前で殺される事件を、構成の妙と視点のずれから追っていく
- 向いている人
- トリックの鮮やかさだけでなく、物語の見せ方そのものを楽しみたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、森博嗣さんの『幻惑の死と使途』をご紹介します。
本作で事件の中心に立つのは、天才奇術師の有里匠幻です。どんな密室からも抜け出してみせると語るほどの人物が、衆人環視のショーの最中に殺されます。奇術、観客、舞台、そして死。見えているはずのものが本当に見えていたのかを問いながら、犀川創平と西之園萌絵は、幻惑の裏側にある構造を探っていきます。
奇術を題材にしたミステリーは、どうしても派手なトリックに目が向きます。けれど本作の読みどころは、仕掛けそのものだけではありません。物語の見せ方、情報の並べ方、章の進み方にも工夫があり、読者は事件を追っているつもりで、いつの間にか作者の演出にも誘導されていきます。舞台上の奇術と、小説としての構成が響き合うところに、森博嗣さんらしい面白さがあります。
読者の印象としては、シリーズが進んだことで犀川と萌絵の関係に注目する声や、事件の真相よりもその提示の仕方に驚いたという声が見られます。人がなぜ目の前のものを信じるのか、見せられた順番によって何を思い込むのか。そうした認識の揺れが、奇術師の事件と重なっていきます。
『幻惑の死と使途』は、ステージ上の華やかさと、論理の冷たさが同居する一冊です。マジックのように目を奪われながら、読み終えたあとで構成の意味をもう一度考えたくなるミステリーを探している人におすすめです。
Nearby Shelves
近くの棚を見る
近くの棚: 似た読み味の本
Discover More
この本から広げて探す
もっと本を探す
近いジャンルや著者から、今の気分に合う本を続けて探せます。