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ぼくがきみを殺すまで 表紙

ぼくがきみを殺すまで

2026年5月27日 更新

今日は、あさのあつこさんの『ぼくがきみを殺すまで』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
友情と戦争が同じ場所に置かれる苦しさを、静かに深く受け止めたい時
刺さるポイント
少年兵の語りを通して、敵味方という線の前にあった出会いと、失われていくものの重さが浮かび上がる
向いている人
重めの青春小説、架空世界の戦争物語、友情の痛みを描く作品が好きな人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、あさのあつこさんの『ぼくがきみを殺すまで』をご紹介します。

物語は、戦場の気配をまとった架空の世界で始まります。ベルエイドの少年兵エルシアは、敵国ハラの兵士にとらえられています。彼はその相手に向かって、自分が戦場に出るまでの日々を語り始めます。そこにいたのは、絵を描くことが好きなハラの少年ファルドです。敵と呼ばれる国の少年でありながら、エルシアの記憶の中でファルドは、ただ敵として片づけられない存在になっていきます。

この作品の強さは、戦争を遠い背景としてではなく、少年たちの日常や感情の奥まで入り込むものとして描いているところにあります。国、民族、軍、命令。大きな言葉が人を分けていく一方で、子どもたちは相手の顔を見て、声を聞き、心を動かします。けれど、その小さなつながりは、戦争という仕組みの中で簡単には守られません。

読者はエルシアの語りを追いながら、友情と憎しみ、加害と被害、守りたいものと壊してしまうものの境目に立たされます。結末へ向かう緊張感は強く、明るい読後感の作品ではありません。それでも、ただ悲惨さを見せるのではなく、相手を知ってしまった人間が、それでも戦わされる痛みを丁寧に描いています。

『ぼくがきみを殺すまで』は、あさのあつこさんの少年像の鋭さが、戦争という重いテーマと結びついた一冊です。友情の美しさだけでなく、その友情が引き裂かれる世界の理不尽さまで見つめたい人におすすめです。

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