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明日の記憶 表紙

明日の記憶

2026年5月27日 更新

今日は、荻原浩さんの『明日の記憶』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
記憶を失う怖さと、家族の愛情の強さを正面から受け止めたい時
刺さるポイント
若年性アルツハイマーと診断された男性が、仕事と家庭の中で自分を保とうとする
向いている人
病と家族、夫婦の支え合いを描く感動作を読みたい人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、荻原浩さんの『明日の記憶』をご紹介します。

主人公の佐伯は、広告代理店で忙しく働く五十代の男性です。仕事では重要な案件を抱え、家庭では娘の結婚を控えています。ところが、もの忘れや小さな違和感が重なり、やがて若年性アルツハイマーと診断されます。病名を知らされた瞬間から、彼の日常は少しずつ形を変えていきます。

本作が強く胸に迫るのは、病を特別な出来事として遠くから描くのではなく、仕事の予定、家族との会話、財布や書類を探す焦りといった生活の細部から描いているからです。できていたことができなくなる恐怖。自分の判断を信じられなくなる不安。周囲に迷惑をかけたくないというプライド。それらが、佐伯の内側から丁寧に語られます。

同時に、これは夫婦と家族の物語でもあります。妻は支える側として強くあろうとしますが、彼女にも戸惑いや悲しみがあります。支える人もまた傷つき、迷い、それでも隣に立とうとする。その姿があるからこそ、物語はただの悲劇ではなく、人が人を思う力を描く作品になっています。

『明日の記憶』は、読むのに覚悟がいる場面もあります。けれど、失われていくものの中にも残り続ける感情があることを、静かに信じさせてくれる一冊です。家族の時間や、記憶のかけがえのなさを見つめたい人におすすめです。

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