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あまからカルテット 表紙

あまからカルテット

2026年5月27日 更新

今日は、 柚木麻子さんの連作小説、 『あまからカルテット』 についてお話しします。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
友情と食べ物の力で、日々の悩みが少しほどけていく物語を読みたい時
刺さるポイント
四人の女性が恋や仕事の迷いを、美味しいものと昔からの絆を頼りに乗り越える
向いている人
食べ物が出てくる連作や、友人同士の軽やかな助け合いが好きな人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、 柚木麻子さんの連作小説、 『あまからカルテット』 についてお話しします。

この作品は、女子校時代からの友人である四人の女性たちが、恋や仕事や家庭の悩みに向き合っていく連作小説です。ピアノ講師、編集者、美容部員、料理上手な専業主婦。それぞれ違う場所で暮らしながら、彼女たちは何か起きるたびに集まり、食べ物を囲み、時には小さな謎を解くように友人の問題へ踏み込んでいきます。

物語の大きな魅力は、料理が単なる飾りではなく、気持ちをほどく手がかりとして描かれているところです。稲荷寿司、甘食、ハイボール、ラー油、おせち。食卓に並ぶものは、誰かの記憶や意地、恋の迷い、家族への思いと結びついています。おいしいものを一緒に食べることで、言いにくかった本音が少しずつ顔を出し、問題の輪郭が見えてくるのです。

一方で、この本の友情は、ただ仲良しなだけではありません。四人は互いを大切に思っているからこそ、時には遠慮なく踏み込み、時には嫉妬や不満を抱きます。二十代の終わりに差しかかり、結婚、仕事、将来への不安が現実味を帯びてくる時期だからこそ、友人との距離感も変わっていきます。その揺らぎが、軽やかな会話の奥にリアルな手触りを残します。

ミステリーのような楽しさと、食べ物の温かさ、そして女友達の頼もしさが一緒に味わえる一冊です。疲れた日に気持ちをほぐしたい人、恋愛や仕事で少し立ち止まっている人、にぎやかな会話の中に人生のヒントがある物語を読みたい人に向いています。

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