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赤い月の香り 表紙

赤い月の香り

2026年5月27日 更新

今日は、千早茜さんの『赤い月の香り』をご紹介します。

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要約の冒頭と棚の手がかりから、手に取る理由をまとめました。

読みどころ
今日は、千早茜さんの『赤い月の香り』をご紹介します。
棚のジャンル
文学 / 心理
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音声レビューで、読む前に作品の雰囲気を確かめられます。

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、千早茜さんの『赤い月の香り』をご紹介します。

この作品は、『透明な夜の香り』に続く、香りをめぐる長編小説です。前作に登場した天才調香師の小川朔がふたたび中心となり、今回はカフェで働く青年、朝倉満が朔の洋館へ招かれるところから物語が動き出します。

満は、自分の中にある怒りや過去の傷をうまく言葉にできない人物です。朔は彼の匂いから何かを感じ取り、洋館で働かないかと声をかけます。そこでは、依頼人の望む香りをオーダーメイドで作る仕事が続いており、人々はそれぞれ、愛情、執着、喪失、復讐心のような、簡単には整理できない感情を抱えてやってきます。香りは癒やしとしてだけではなく、人の欲望や隠された本音をあぶり出すものとして働きます。

前作が一香の視点から朔の孤独へ近づいていく物語だったのに対し、本作では満の内側にある怒りや不安が、朔との関係を通じて少しずつ形を変えていきます。読み味は静かですが、扱っている感情はかなり強く、依頼人たちのエピソードにも人間の危うさがにじみます。美しい香りの描写の奥に、消せない記憶や、誰かを求める切実さが見えてくるところが印象的です。

シリーズ作品ですが、香りを通じて人の秘密に触れる物語として単独でも入りやすい一冊です。繊細な心理描写、ほの暗いミステリー感、感覚に訴える文章を楽しみたい方に向いています。前作を読んだ方には、朔という人物の別の面が見える続編としてもおすすめです。

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