店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- Vシリーズの終盤を、色彩と連続事件の不穏さで読みたい時
- 刺さるポイント
- 赤く塗られた死体から始まる事件が、保呂草たちの関係とシリーズの余韻を揺らしていく
- 向いている人
- 派手な事件の見た目と、静かな人物描写の落差を楽しみたい人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、森博嗣さんの『赤緑黒白』をご紹介します。
本作は、Vシリーズ第十作にあたる長編ミステリーです。深夜のマンション駐車場で、全身を赤く塗られた死体が発見されます。被害者の恋人だと名乗る女性は、犯人に心当たりがあると言いながら、それを証明してほしいと保呂草に依頼します。やがて、事件は一つだけでは終わらず、色の名をまとったような不穏な連続性を見せ始めます。
『赤緑黒白』の印象を決めているのは、タイトルにも表れる色彩の強さです。赤、緑、黒、白という言葉は、事件の見た目を示すだけでなく、人物たちの感情や関係の濃淡にも重なっていきます。華やかな色の名前に反して、語り口は静かで乾いており、その落差が独特の気味悪さを生んでいます。
Vシリーズの終盤として読むと、保呂草、紅子、練無、紫子たちの関係がこれまでとは少し違う光を帯びて見えてきます。事件の解決だけを急ぐのではなく、誰が何を求め、何を演じ、何を黙っているのかを眺める時間が、この作品の大きな読みどころです。シリーズを追ってきた人ほど、会話の余白や別れ際の気配に目が留まるはずです。
『赤緑黒白』は、鮮烈な事件のビジュアルと、静かな人物描写が同居する一冊です。Vシリーズの締めくくりとして、ミステリーの謎と登場人物たちの余韻をあわせて味わいたい時におすすめです。
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