店頭POP
今の気分に合う一冊かも
気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。
- こんな時に
- 複数の容疑者の証言を照らし合わせながら、論理で犯人に迫りたい時
- 刺さるポイント
- 全員に動機があり、全員がどこかで真実を隠している状況から目が離せない
- 向いている人
- 加賀恭一郎の冷静な捜査と、読者挑戦型の本格ミステリーが好きな人
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、 東野圭吾さんの作品、 『私が彼を殺した』 についてお話しします。
結婚式の場で、一人の男が毒によって命を落とします。彼はすでに別の女性と婚約していながら、過去の恋人の死にも深く関わっている人物でした。事件の周囲には、彼に強い感情を抱く三人がいます。婚約相手の兄、恋人を奪われた男性、そして元交際相手の女性。それぞれに動機があり、それぞれに隠したい事情があります。
物語は、誰が毒を仕込んだのかという謎を中心に進みます。しかし本当に難しいのは、毒入りカプセルがどこから来て、誰の手を通り、どの瞬間に被害者へ届いたのかを追うことです。関係者の証言は一見つながっているようで、細かく見ると少しずつずれています。そのずれを加賀恭一郎が丹念に拾い、事件の輪郭を浮かび上がらせていきます。
本作は『どちらかが彼女を殺した』と同じく、読者にも推理を求めるタイプのミステリーです。真相に近づくための材料は作中に置かれていますが、最後の判断は簡単ではありません。感情のもつれと物証の流れを同時に追う必要があり、読み終えてからもう一度ページを戻りたくなる作りになっています。
愛情、嫉妬、裏切り、保身が入り組んだ人間関係の中で、登場人物たちはみな自分の物語を語ります。その言葉のどこまでが本当で、どこからが自分を守るための作りごとなのか。論理の緊張と心理の苦さを同時に楽しめる、加賀シリーズらしい一冊です。
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