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この棚で手に取りたい理由
要約の冒頭と棚の手がかりから、手に取る理由をまとめました。
- 読みどころ
- 今日は、村山由佳さんの『天使の梯子』をご紹介します。
- 棚のジャンル
- 文学 / 恋愛
- 試し聴き
- 音声レビューで、読む前に作品の雰囲気を確かめられます。
Reading Notes
読みどころメモ
音声レビューの要点
今日は、村山由佳さんの『天使の梯子』をご紹介します。
この作品は、『天使の卵 エンジェルス・エッグ』のあとに続く恋愛小説です。物語の軸になるのは、大学生になった慎一と、彼が高校時代に思いを寄せていた教師、夏姫です。再会した夏姫は、かつてよりも近い存在になったように見えます。しかし彼女の心には、簡単には触れられない過去と、忘れることのできない人への思いが残っています。
本作は、年齢差のある恋や教え子と教師の関係を描きながら、それだけに収まらない広がりを持っています。人を好きになる気持ちは純粋でも、相手の時間まで自分のものにできるわけではありません。慎一は、夏姫に惹かれるほど、彼女が背負っている喪失や、過去の恋が今も生き続けていることを知っていきます。その過程で、恋の熱と、誰かの痛みに向き合う覚悟が重なっていきます。
前作を読んでいると、歩太や春妃の物語が残した余韻を受け取りながら読めます。一方で、本作の中心はあくまで、傷ついた人たちがもう一度誰かと向き合えるのかという問いです。村山由佳さんらしい透明感のある文章で、過去を忘れるのではなく、抱えたまま生き直すための時間が描かれます。
切ない恋愛小説が好きな方、喪失のあとに残された人の再生を読みたい方におすすめです。恋は人を救うこともあれば、古い傷を開くこともあります。その両方を見つめながら、静かな光へ向かっていく一冊です。
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