本文へスキップ
対岸の彼女 表紙

対岸の彼女

2026年5月27日 更新

今日は、角田光代さんの『対岸の彼女』をご紹介します。

試し聴きする Amazonで見る

店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
友情や結婚、仕事への違和感を、静かに見つめ直したい時
刺さるポイント
立場の違う二人の女性を通して、孤独とつながりの脆さを描く
向いている人
人間関係のすれ違いを、感情の奥行きごと味わいたい人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、角田光代さんの『対岸の彼女』をご紹介します。

物語の中心にいるのは、旅行会社を経営する葵と、専業主婦として日々を過ごす小夜子です。仕事を持ち、自分の足で立っているように見える葵。家庭の中で娘や夫との生活を守りながら、どこか息苦しさを抱えている小夜子。二人はふとしたきっかけで出会い、互いに自分とは違う生き方をしている相手に惹かれていきます。

この作品が描くのは、単純な友情物語ではありません。親しくなったはずの相手と、なぜ分かりあえなくなるのか。励ましの言葉が、どうして時に相手を追い詰めてしまうのか。社会の中で女性に向けられる期待や、結婚、出産、仕事への見えない圧力が、二人の関係に少しずつ影を落としていきます。

葵の過去には、学生時代に出会った少女との濃密な時間があります。小夜子の現在には、母として妻として振る舞いながら、自分の輪郭を見失っていく苦しさがあります。二つの時間が重なることで、物語は「自由に生きること」と「誰かとつながること」の難しさを浮かび上がらせます。

読んでいると、どちらか一方が正しいとは簡単に言えません。強く見える人にも孤独があり、弱く見える人にも譲れない思いがあります。角田光代さんは、その揺れを大げさに裁かず、日常の会話や小さな沈黙の中に置いていきます。

『対岸の彼女』は、友情、孤独、選ばなかった人生へのまなざしを描く長編です。誰かと親しくなることの希望と怖さを、静かな痛みとして残す一冊です。

Nearby Shelves

近くの棚を見る

似た読み味と関連トーク

近くの棚: 似た読み味の本

4冊を棚から抜粋

Discover More

この本から広げて探す

テーマ・悩み・著者から次の一冊へ

もっと本を探す

近いジャンルや著者から、今の気分に合う本を続けて探せます。

SNSへの共有

この本をシェアする

あなたへの次のおすすめ

Books / Talks