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サラバ! 下 表紙

サラバ! 下

2026年5月27日 更新

今日は、西加奈子さんの『サラバ! 下』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
人生が崩れていく先に、もう一度立ち上がる物語を読みたい時
刺さるポイント
家族、信仰、自己愛の揺らぎを越えて、自分の信じるものを探す結末へ向かう
向いている人
重厚な成長小説や、長い読後感を残す再生の物語が好きな人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、西加奈子さんの『サラバ! 下』をご紹介します。

この作品は、『サラバ!』の物語を受け止める下巻です。上巻でイラン、大阪、エジプトを移動しながら成長してきた圷歩は、大人になってからも、家族との距離や自分自身への違和感を抱え続けています。姉の貴子、母、父、それぞれの人生は思いもよらない方向へ動き、歩の前には、子どものころには見えなかった家族の歪みがはっきりと現れていきます。

下巻で強く描かれるのは、うまく生きているように見えた人間が、少しずつ自分の足場を失っていく怖さです。歩は、仕事や恋愛や人間関係の中で、自分がどれだけ他人の視線に支えられていたのかを突きつけられます。器用に振る舞うこと、目立たずに済ませること、何かを信じ切らないこと。それらは彼を守ってきたはずなのに、やがて彼自身を空洞にしていきます。

一方で、この巻は崩壊だけを描く作品ではありません。姉の生き方や、過去に出会った人々の言葉が、歩の中で別の意味を持ち始めます。家族は決して理想的ではなく、痛みや失望も多い。それでも、切り離せない記憶の中に、自分をもう一度立たせる力が残っていることが見えてきます。

『サラバ! 下』は、長い人生の物語が、自分の信じるものを見つける問いへ収束していく一冊です。読み終えると、家族や故郷や過去を、ただ懐かしむだけでは済まない重さで思い返すことになります。苦さも滑稽さも抱えたまま、それでも生き直すための力を探したい人に向いた作品です。

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