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セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴 表紙

セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴

2026年5月27日 更新

今日は、島田荘司さんの『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
横浜を舞台に、御手洗潔と石岡の少し温かな謎解きを読みたい時
刺さるポイント
老婦人の死とロシアの秘宝をめぐる物語が、クリスマスの気配をまとって展開する
向いている人
重すぎない御手洗潔作品や、歴史の余韻を含んだミステリーが好きな人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、島田荘司さんの『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』をご紹介します。

本作は、御手洗潔と石岡和己が横浜を舞台に謎へ関わる作品です。物語は、老婦人の訪問と、その後に起こる死をきっかけに動き出します。教会、ロシアにまつわる秘宝、クリスマスの気配が重なり、事件は殺伐としただけのものではなく、過去から届いた贈り物のような余韻をまとっていきます。

御手洗潔シリーズには、巨大な奇想や強烈な猟奇性を前面に出す作品も多くありますが、この一冊は比較的やわらかな読み味を持っています。もちろん謎はあり、死の背後に隠れた事情を探る推理小説として進んでいきます。ただ、その中心にあるのは、人が長い時間をかけて抱えてきた記憶や願いです。宝石や靴といった印象的なモチーフも、単なる小道具ではなく、誰かの人生の痛みや希望につながっていきます。

横浜の雰囲気も作品を支えています。馬車道、教会、異国文化の名残が、御手洗と石岡の会話に穏やかな陰影を与えます。事件の不可解さを追いながらも、読後には冷たい恐怖より、静かな切なさや優しさが残ります。

『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』は、御手洗潔の鋭い推理を味わいつつ、人物の思いにも寄り添いたい時に向いた一冊です。シリーズの中で、少し温度の違う余韻を楽しみたい人におすすめです。

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