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みかづき 表紙

みかづき

2026年5月27日 更新

今日は、森絵都さんの長編小説 『みかづき』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
家族の歴史と社会の変化を、長い時間軸でじっくり味わいたい時
刺さるポイント
学習塾という場所から、教育、家庭、仕事の理想と現実を描き出す
向いている人
世代をまたぐ大河的なヒューマンドラマに浸りたい人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、森絵都さんの長編小説 『みかづき』をご紹介します。

物語は昭和三十年代から始まります。 小学校で用務員として働く大島吾郎は、勉強が遅れがちな子どもたちに寄り添い、 教えることの面白さと難しさを知っていきます。 やがて彼は、強い意志を持つ赤坂千明と出会い、 学校の外にある学びの場、つまり学習塾の世界へ踏み出していきます。

この作品が描くのは、ひとつの塾の成功物語だけではありません。 教育とは何か、子どもにとって学ぶとは何か、 そして理想を仕事にしたとき、人はどんな喜びと矛盾を背負うのか。 吾郎と千明、そして彼らに続く家族の歩みを通して、 戦後から平成へと移り変わる社会の空気が大きなうねりとして立ち上がります。

千明は、情熱的で前へ進む力を持つ人物です。 一方で、その強さは家族を支えもすれば、時に近しい人を傷つけもします。 吾郎の優しさや迷い、子どもたちの成長、塾を取り巻く時代の変化が重なり、 物語は教育と家族の両方をめぐる大河ドラマになっていきます。 正しい答えをすぐに出すのではなく、 理想と現実のあいだで揺れ続ける人々を丁寧に追うところに、この作品の読み応えがあります。

タイトルの「みかづき」は、学校教育の太陽に対して、 塾が夜を照らす月のような存在であるというイメージにつながっています。 欠けているからこそ見える光があり、完全ではないからこそ誰かを照らせる。 『みかづき』は、学ぶこと、教えること、家族として生きることを、 長い年月の中で深く見つめる一冊です。

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