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羊をめぐる冒険 上 表紙

羊をめぐる冒険 上

2026年5月27日 更新

今日は、村上春樹さんの『羊をめぐる冒険 上』をご紹介します。

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店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
日常が少しずつ奇妙な冒険へ変わっていく物語を読みたい時
刺さるポイント
離婚、広告の仕事、耳の美しい女性、鼠からの手紙が、羊探しへつながっていく
向いている人
初期三部作の到達点を、会話と謎の引力で味わいたい人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、村上春樹さんの『羊をめぐる冒険 上』をご紹介します。

物語の語り手である「僕」は、広告コピーの仕事をしながら、妻との関係が終わったあとの空白を淡々と過ごしています。そこに、耳に不思議な魅力を持つ女性との出会い、北海道にいるらしい友人「鼠」からの手紙、そして一枚の羊の写真が重なっていきます。はじめは日常の延長に見えた出来事が、いつの間にか「羊を探す」という奇妙な依頼へ変わっていきます。

上巻の面白さは、冒険が急に始まるのではなく、生活の細部の中からゆっくり立ち上がるところにあります。バー、事務所、電話、手紙、写真。どれも現実的なものなのに、それらが組み合わさると、見えない力に導かれているような気配が生まれます。村上春樹作品らしい乾いた会話と、どこか説明できない不穏さが同時に進んでいきます。

また、この作品では「僕」と「鼠」の距離が重要です。かつて同じ時間を過ごした二人は、もう同じ場所にはいません。鼠は遠くから手紙を送り、僕はその言葉を手がかりに、失われた友人の影を追うことになります。羊探しは、謎を解く旅であると同時に、過去の友情や青春の残響をたどる旅でもあります。

『羊をめぐる冒険 上』は、初期の軽やかな語り口を保ちながら、物語としてのスケールを大きく広げた一冊です。下巻へ向かうにつれて、羊の正体、鼠の行方、そして僕自身が何を失ってきたのかが、少しずつ形を持ちはじめます。

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