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古本食堂 表紙

古本食堂

2026年5月27日 更新

今日は、 原田ひ香さんの作品、 『古本食堂』 についてお話しします。

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読みどころ
今日は、 原田ひ香さんの作品、 『古本食堂』 についてお話しします。
棚のジャンル
文学 / 心温まる
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音声レビューと、関連トーク1本から雰囲気を確かめられます。

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、 原田ひ香さんの作品、 『古本食堂』 についてお話しします。

舞台は、東京の神田神保町にある小さな古書店です。帯広で暮らしていた鷹島珊瑚は、兄の滋郎が急逝したことで店とビルを相続し、慣れない東京で古書店を継ぐことになります。そこへ、国文科の大学院生で親戚の美希喜が手伝いに入り、年齢も立場も違う二人の新しい日々が始まります。

本作の魅力は、古本と食べ物と人情が自然に重なっていくところです。神保町の街には、古書の匂い、昔から続く食堂の味、店を訪ねてくる人たちの記憶があります。珊瑚と美希喜は、店の経営に戸惑いながらも、本を探す人、本を手放す人、本に背中を押される人たちと出会い、少しずつこの場所の意味を知っていきます。

古書店をめぐる物語でありながら、専門知識の話だけにはなりません。誰かが読んできた本を、別の誰かが受け取る。その受け渡しの中に、亡くなった人の面影や、これから進む人の迷いがにじみます。食事の場面も、ただおいしそうなだけではなく、人と人が打ち解けるきっかけとして温かく効いています。

珊瑚の落ち着いた視点と、美希喜の若い迷いが交互に響くことで、物語には穏やかな奥行きが生まれます。本が好きな人はもちろん、人生の途中で新しい居場所を探している人にも、静かに寄り添ってくれる一冊です。

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