本文へスキップ
望郷 表紙

望郷

2026年5月27日 更新

今日は、湊かなえさんの『望郷』をご紹介します。

試し聴きする Amazonで見る

店頭POP

今の気分に合う一冊かも

気分、読みどころ、向いている読者を店頭POPのようにまとめました。

こんな時に
故郷への愛憎を描く短編ミステリーをじっくり読みたい時
刺さるポイント
島で生きる人々の閉ざされた関係が、六つの事件を通して静かに反転していく
向いている人
一編ごとに苦味と余韻が残る連作短編集を探している人

Reading Notes

読みどころメモ

音声レビューの要点

今日は、湊かなえさんの『望郷』をご紹介します。

『望郷』は、島に生まれ育った人々の愛憎を描く連作短編集です。収録されている物語はそれぞれ独立していますが、共通しているのは、故郷という場所が登場人物の心に深く根を下ろしていることです。島を離れたい人、島に残るしかなかった人、離れてもなお過去に引き戻される人。そんな人々の思いが、六つの事件や記憶を通して語られていきます。

故郷は、あたたかい場所として語られることもあります。けれど本作では、それだけではありません。狭い共同体だからこそ見えてしまう噂、家族の歴史、逃げ場のなさ、そして土地への誇り。好きだから憎い、憎いのに忘れられない。そんな相反する感情が、短い物語の中で鋭く浮かび上がります。

湊かなえさんらしい魅力は、何気ない記憶の見え方が、ある瞬間に反転するところです。登場人物が信じていた過去、誰かに抱いていた感情、ずっと胸の奥にしまっていた秘密が、物語の終盤で別の意味を帯びていきます。大きな謎解きよりも、人の心の中で何が起きていたのかに焦点が当たるため、読み終えたあとに静かな余韻が残ります。

この作品には、明るい郷愁だけではない故郷の姿があります。島は美しい場所であると同時に、人を縛る場所でもあります。それでも、登場人物たちはその土地と完全には切り離されません。過去を受け止めること、故郷を見直すことが、それぞれの人生を少しだけ前へ進めていきます。

『望郷』は、短編ごとの完成度を味わいながら、ひとつの土地に流れる感情を読む作品です。地方を舞台にしたミステリーや、家族と故郷の苦さを描く物語が好きな人におすすめです。

Nearby Shelves

近くの棚を見る

似た読み味と関連トーク

近くの棚: 似た読み味の本

4冊を棚から抜粋

Discover More

この本から広げて探す

テーマ・悩み・著者から次の一冊へ

もっと本を探す

近いジャンルや著者から、今の気分に合う本を続けて探せます。

SNSへの共有

この本をシェアする

あなたへの次のおすすめ

Books / Talks